12月から施行開始!スマートフォンの新しい法律について
本日は、今年の12月から全面的に施行が開始される、スマートフォンの新しい法律についてお話していこうと思います。
〇 はじめに
皆様は、「スマホソフトウェア競争促進法」という法律をご存知でしょうか?
正式名称は「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」といい、スマートフォンの利用とセキュリティに関連する新たな法律として、2024年の6月に国会で成立した法律となります。
通称を「スマホソフトウェア競争促進法」と呼ばれるこの法律は、すでに一部が施行されており、今年の12月までに全面的に施行されます。
この法律がどういった内容なのかを簡単に説明すると、
① スマホの利用に欠かせない「モバイルOS」「アプリストア」「ブラウザ」「検索エンジン」の4つのソフトウェアを「特定ソフトウェア」と位置付ける
② 各「特定ソフトウェア」の市場において、優位な立場にある事業者(指定事業者)に対し、明確な禁止事項を設けて規制を行う
③ ②のように、指定事業者に対して規制を行うことで、適正な市場競争が生まれるように環境整備を行う
と、いった内容の法律となります。
つまり、この法律の目的は、「一部の大手企業による市場の寡占状態を整備し、競争を通じて技術革新を促進・活性化させ、それによって生まれた多種多様なサービスを、消費者が好きに選択できるようする」というものになります。
引用元:公正取引委員会の発表
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/jul/250729_smartphone.html
◯ この法律の利点について
この法律によって、消費者にどのような利点があるのかというと、
・Apple 、または Google が提供する公式アプリストア以外のアプリストアを使用できるようになる
・ウェブブラウザーや検索エンジンを自由に、簡単に選択できるようになる
などといった恩恵を受けられる可能性が高まります。
また、アプリの提供者には、「中小事業者がアプリストア市場に参入しやすくなり、アプリビジネスの自由度が高まる」といった利点があります。
◯ この法律の懸念点について
この法律は、消費者やアプリ提供者にとっては利点の多いものにも思えますが、一方で以下のような懸念点があります。
上記の要件を満たさない場合は、パソコンの買い替えや代替案の検討をお早めにご検討ください。
・公式アプリストア以外のアプリストアを使用できる
→ セキュリティのリスクがある
ヨーロッパでは「スマホソフトウェア競争促進法」と同じ法律がすでに導入されておりますが、期待された効果は出ておらず、むしろセキュリティの問題が拡大しているといいます。
Apple 、または Google が提供する公式アプリストア以外のアプリストアでは、アプリに対する安全性のチェックが甘く、個人情報を抜き取るような危険なアプリが入り込みやすくなっている、という現状があります。
・ウェブブラウザーや検索エンジンを自由に、簡単に選択できるようになる
→ 有害なコンテンツにアクセスしてしまう可能性が増える
お子さんにスマートフォンを持たせている方は、保護者向けのフィルタリング機能を使用している方もいらっしゃるかと思います。
しかし、標準のものではないウェブブラウザーや検索エンジンを使用すると、そのフィルタリング機能が効かなくなり、有害なコンテンツにアクセスしてしまう可能性が出てきてしまいます。
〇 懸念点に対する対策
上記のようなリスクを避けるためには、以下のような対策をとる事が有効となります。
・公式のアプリストア以外からのアプリのインストールを避ける
・インストールしたアプリに対して、不要な権限を与えない
・ウェブブラウザーは、一般的なものを利用する
・定期的にクレジットカードや、決済サービスの明細を確認する習慣をつける
定期的に確認する習慣をつけることで、身に覚えのない支払いがあれば、すぐに対応することができ、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。
〇 さいごに
この「スマホソフトウェア競争促進法」は、今年の12月18日の木曜日から、施行されることが決まっております。
スマートフォンの利用について便利になる反面、今回紹介したようなセキュリティのリスクもありますので、日頃から意識して対策をすることが重要になります。
弊社では、スマートフォンだけではなく、パソコンなどのネットワークに関するご相談を受け付けております。
院内ネットワークのセキュリティや、マイナンバーといった個人情報の保護などの対策をお考えの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
今後ともエントラストをどうぞよろしくお願いいたします。